「くまのプーさん」の理想と現実
娘はショックの余り声を漏らした。
「プーしゃん!……。」
クレアトゥールのゴールデンウィークは暦通り。我が家は5月2日の夜に小倉の街を出発し、国道3号線を延々と南下。宿泊予定であるペンションのチェックイン時間から7時間近くも早く熊本県阿蘇市に到着した。
こんなに長いドライブはいつぶりだろう。
気づけば6時間近くも運転していた……。
熊本県には魅力的な観光スポットがいくらでもあるが、チェックインまでの時間を持て余した我々はビジネスホテルで仮眠をとったのち、阿蘇ファームランドへ向かった。
現地では娘を遊ばせようと「元気の森」へ行ったものの、どう考えてもやっと2歳になる娘ができる遊びといえば砂遊びか階段の昇り降り位しか見当たらない。
そそくさと「元気の森」を出た我等は土産屋等をはさみ、一路ペンションへ。
ペンション「あざみ亭」は1泊2食、貸切風呂もついて12,000円程度。基本的にペンションはリーズナブルだが、コース料理がついてこの値段は破格ではないだろうか。
チェックインの時間前から到着していたので、またも時間を持て余した我等はペンションの周辺を散策したり、昼寝をしたりして過ごした。
いやむしろ、ほとんど寝て過ごした。
夕食は「オマール海老コース」。どれも美味しくて素晴らしかったが、やはりメインディッシュのオマール海老は最高だった。あれだと5、6匹はいけるのではなかろうか。
夕食後は風呂をすませ、またもや就寝。
昼寝をしたにもかかわらず、夜中に娘が何回か起きたことも知らずに熟睡した。
奇跡的に朝食時間に間に合った我等はオムレツなどを食し、旅の目的であった「カドリー・ドミニオン」へ向かった。
向かった瞬間に娘の靴を忘れていると電話が入り、引き返すなどという茶番があったのである。
カドリー・ドミニオンはファミリーやカップルでごった返していた。それでも、1年前の「うみたまご」よりかはマシだった。
カドリー・ドミニオンにはたくさんの動物が暮らしているが、中でも種類豊富な熊や「パンくん&ジェームズ」が有名なようだ。この日は「パンくん&ジェームズ」には会えなかった。余りにも人が多すぎて並ぶのを断念したのである。
娘は「くまのプーさん」が大好きだ。なので「本物の熊」を見せてみることにした。
「綾香、ほらほら、プーさんだよ!」
娘は一瞬自分の目を疑った後、力の無い声で囁いた。
「プーしゃん!……。」
現実の世界を見せるのは少し早過ぎたのか、肉をむさぼり食うリアルな熊を見て娘はすっかり意気消沈した。
他にもたくさんの動物がいたが、1つずつ紹介するとブログが終わらないので、旅の写真を交えながらといこう。
このような具合だ。
流れで下道を通って帰ることになり、途中で「林檎と葡萄の樹」に寄った。昔、友を連れてよく来たものだ。懐かしかった。相変わらず繁盛しているようだった。
それにしても、暑い休日だった。
娘には悪いことをした。
本物のプーさんの背中には、縫い目が無かったのである。
娘は以来、ペンギン好きになった……。





























